身体拘束について

「身体拘束は行ってはならない行為である」ということが大前提であるが、しかし、ご利用者の安全な療養のために「緊急やむを得ない場合」があることも現実である。
万一、身体拘束を実施する際には、身体拘束に関する適用要件に沿い、身体拘束アセスメント表に照らし合わせて多職種によるカンファレンスにおいて慎重かつ十分に検討して、担当医が最終判断し、ご利用者・ご家族への説明と同意を得て行い、必要最小限の期間で拘束が解除できるように努めます。

適用要件

切迫性 ご利用者や他のご利用者の生命または身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと。
非代替性 身体拘束とその他の行動制限を行う以外に代替するケアや工夫がないこと。
一時性 身体拘束とその他の行動制限が一時的なものであること。
感染対策について

施設内のご利用者は感染症にかかりやすいということを前提に、ご利用者やスタッフへの感染症リスクを最小化するとの視点に立ち、全てのご利用者が感染症を保持し、かつ罹患する危険性を併せ持つと考えて対処する「スタンダードプリコーション」の観点に基づいた感染予防対策を実践します。
内外の感染症情報や事例を広く収集・共有して、施設内感染の危険および発生に対して迅速に対応することを目指しています。
家族の面会、ショートステイなど、外部からの出入りが多く見られるため、出入り口での速乾性手指消毒剤の使用を勧めています。季節で流行する疾患に対しては、小さいお子さんや体調不良の方の面会をご遠慮いただく事やマスク装着などをお願いしています。
職員にも自己の健康管理に留意し、手洗い、うがい、速乾性手指消毒剤の使用徹底を呼びかけ、感染予防に努めています。

転倒転落について

入所者の転倒・転落リスクマネージメントの必要性を把握し、入所者の状態に応じた対応策を立案することで、入所者の安全安楽、人権を守る看護・介護の提供をしております。転倒転落アセスメントスコアーシートで危険度の把握をして、転倒・転落事故防止対応策に沿った対策を危険度Ⅰ・Ⅱ・Ⅲに沿って行っています。危険度Ⅱ・Ⅲの場合は転倒・転落事故防止対策表のⅠ~14の対策案を検討し、必要事項を実施しております。入所中に危険のリスクがある場合はインシデントレポートを書き、それを基にカンファレンスで対策の検討を行うことで転倒転落の予防に努めています。

終末期医療について

人間には寿命があり必ず死を迎えます。そして、多くの人々は人間の尊厳を保ちながら安らかな最期を望んでいます。医療・介護に係わる職場では人の終末期に立ち会う機会が多く、その対応で時に苦慮することもあります。終末期医療の目的は本人の意思を尊重し人間としての尊厳を保ち、苦痛のない自然な死を迎えられるようにすることにあります。人間の終末期は様々であり、その対応に関して医療現場では少なからず混乱があるのが現状です。安楽死や延命治療の中止に関する医療行為が刑事事件となり、どこまで倫理的・法的に許されるかが大きな問題になっていることは周知のことです。少なくとも回復の可能性がなく死期の迫った患者に苦痛だけを与える延命処置は無意味と考えます。
平成19年5月厚生労働省より「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」が提示されました。このガイドラインに沿って介護・医療関連施設ではそれぞれの施設に合った独自のガイドラインを作成し終末期医療に対応しているものと思います。終末期の医療・ケア方針を決定する場合の基本方針は2つあります。患者本人の意思を最優先とし、患者の意思が確認できない時は推定意思を尊重すること。もうひとつは医師の独断を避け、患者家族を含めた多職種の介護・医療従事者で構成された医療チームで判断することです。
当施設でも「終末期医療決定マニュアル」に従って、より良い終末期医療・ケアが実践できるように全職員で日々努力していきたいと思います。

事故発生時の対応について

当施設では、ご利用者の皆様に対して事故が起きないよう十分注意して接しておりますが、万一、事故が発生した場合は以下のように対処いたします。

事故発生
治療・処置
  • 担当医師に速やかに報告し、治療を行います。
  • 担当医師不在の場合は、御前崎総合病院医師が治療を行います。
事故の報告
  • 利用者のご家族に直ちに連絡をとり、医師、看護師が事故の内容、治療状況について、利用者とご家族に説明します。
事故後の対応
  • 事故後のことについては、利用者本人やご家族の気持ちを十分尊重し、誠意を持って対応いたします。
事故の記録
  • 事故の内容、要因、経過、処置の状況等正確に記録し、今後の事故防止に役立てます。
再発の防止
  • 事故当事者およびその施設の責任者は事故報告書を作成してセンターリスクマネジメント委員会に提出し、再発防止について検討します。
  • 各施設においても事故について反省し、事故の予防について検討します。