設立の動機

関節リウマチや膠原病などのリウマチ性疾患を診療する専門施設は、御前崎市、菊川市、掛川市、袋井市、磐田市、牧之原市、島田市などの小笠•榛原•島田の地域には存在しなかった。その結果、この地域のリウマチ性疾患に対する診断•治療は、対症的•前近代的なものに止まっており、多くの患者さんは、浜松や静岡まで専門医を頼って通院している状態であった。また、この地域に将来も専門施設が設立される可能性はほとんどない。従って、この市立御前崎総合病院のみが、この地域で専門的にリウマチ性疾患を診療でき唯一の施設となると考えられる。以上より、本院がこの地域医療に貢献する役割の1つとしてリウマチセンターを開設した。

リウマチ性疾患について

リウマチ性疾患患者は、自覚症状のみでは如何なる病気か判然としない。そこで開業医や病院を受診して、血液検査やレントゲン検査を行って「リウマチ」「膠原病」かもしれないと判定される。しかし、「リウマチ」「膠原病」とされている疾患の中には、ウイルス感染症、変形性関節症、関節リウマチ、膠原病、リウマチ因子陰性の脊椎関節症などが種々の疾患が含まれ、専門的な診療が必要である。そこで、リウマチ性疾患であれば何時でも受診できるリウマチセンターを本院に開設し、月曜日~金曜日まで毎日専門外来を行っている。紹介状がなくても、平日ならいつでもアクセスできるようにしています。
また、治療法に関しては、a.薬物療法(抗サイトカイン療法、シクロフォスファミドパルス療法)、b.血漿交換療法、白血球除去療法、c.リハビリテーション、d.在宅介護や在宅支援の拡充と地域の福祉のネットワーク作りなどを行っていく。特に入院治療に関しては、関節リウマチに対する抗サイトカイン療法や白血球除去療法あるいはリハビリテーションのための短期入院、全身性エリテマトーデスに対するシクロフォスファミドパルス療法のための短期入院等のプロトコールを充実させる。さらにリウマチ•膠原病は、全身的な問題点を解決するため呼吸器内科•腎臓内科•消化器内科や脳神経外科とも緊密に連絡し、治療法を選択できるようにする。

対象とする疾患

関節リウマチ:登録 547例 (2009年12月現在)、全身性エリテマトーデス:登録33例 (2009年12月現在)、混合性結合組織病:登録15例 (2009年12月現在)、血管炎症候群:登録12例 (2009年12月現在)、強皮症:登録30例 (2009年12月現在)、皮膚筋炎/多発性筋炎:登録10例 (2009年12月現在)、シェーグレン症候群 57例 (2009年12月現在)、リウマチ性多発筋痛症:登録46例 (2009年12月現在)、側頭動脈炎:登録4例 (2009年12月現在)ベーチェット病:登録9例 (2009年12月現在)、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、不明熱など

関節リウマチ:登録 547例 (200912月現在)、全身性エリテマトーデス:登録33例 (200912月現在)、混合性結合組織病:登録15例 (200912月現在)、血管炎症候群:登録12例 (200912月現在)、強皮症:登録30例 (200912月現在)、皮膚筋炎/多発性筋炎:登録10例 (200912月現在)、シェーグレン症候群 57例 (200912月現在)、リウマチ性多発筋痛症:登録46例 (200912月現在)、側頭動脈炎:登録4例 (200912月現在)ベーチェット病:登録9例 (200912月現在)、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、不明熱など
検査や治療

関節リウマチや膠原病の早期診断•鑑別診断のために使用するのは、(1)先進的な血液検査(2)関節の超音波検査、(3)関節や軟部組織のMRI(4)関節の超音波検査(5)CT、(6)骨塩定量などですが、最も大事なのは検査ではなく、患者さんを診療できる医師の力量です。
治療:a.薬物療法(抗サイトカイン療法、シクロフォスファミドパルス療法)、b.血漿交換療法、白血球除去療法、c.リハビリテーション、d.在宅介護や在宅支援の拡充と地域の福祉のネットワーク作り。これらの関節リウマチに対する抗サイトカイン療法や白血球除去療法あるいはリハビリテーション、全身性エリテマトーデスや血管炎に対するシクロフォスファミドパルス療法などは全て外来で加療できます。さらにリウマチ•膠原病は、全身的な問題点を解決するため整形外科、呼吸器内科•腎臓内科•消化器内科や脳神経外科とも緊密に連絡し、治療法を選択できるようにしています。