脳ドックでなにがわかるの?

・脳及び頚部の動脈の狭窄、動脈瘤の有無

・脳腫瘍

・脳の加齢性変化、萎縮度合

・脳梗塞

・脳出血                          

など

脳ドックで一番分かることが、この脳や頸部の動脈の狭窄や動脈瘤の有無になります。 ご承知のように、血管は真っ直ぐではありません。あちこち、曲がりくねっています。その曲がりの部分に送られてきた血液があたり動脈瘤と呼ばれるコブが出来たり、動脈硬化によって血管の内部が傷つき血の塊がついて徐々に狭くなったりします。 脳ドックでは、血液の流れを画像化し狭窄や動脈瘤を見つけます。 角度を変えて、いろいろな方向から観察します 無題3 脳動脈瘤の症例(赤い矢印が動脈瘤) 無題2  次に脳腫瘍。脳の中にも良性から悪性まで様々な腫瘍が発生します。良性のものでも大きくなると周囲を圧迫し症状が出ることがあります。良性の腫瘍でも経過の観察が必要になります。

それから、脳の加齢性変化・萎縮度合が観察できます。脳萎縮の原因としてアルツハイマー型認知症は有名ですね。

脳梗塞においては、脳ドックで時々見られるのが無症候性脳梗塞と呼ばれる、小さな脳の梗塞です。「ラクナ梗塞」とか「隠れ脳梗塞」とも呼ばれ脳内の細い動脈が詰まって起こります。細い血管なので麻痺などの症状もなく、ご本人も覚えていないということが多いです。 脳ドックを受けた方933例を調べたところ、この無症候性脳梗塞が10.6%1割ちょっとで認められ、その後1年から7年後の経過中に新たな脳卒中を発症した頻度が無症候性脳梗塞を持たない人より10倍も高かった(10.1% 持たない人では0.77%)という報告もあります。

脳出血に関しては、基本的に新しい、また大きな病変は見つかりません。症状がない状態でおこなうのが脳ドックですので正しくは、脳出血の跡がわかると言ったほうがいいかもしれません。