終末期医療について

人間には寿命があり必ず死を迎えます。そして、多くの人々は人間の尊厳を保ちながら安らかな最期を望んでいます。医療・介護に係わる職場では人の終末期に立ち会う機会が多く、その対応で時に苦慮することもあります。終末期医療の目的は本人の意思を尊重し人間としての尊厳を保ち、苦痛のない自然な死を迎えられるようにすることにあります。人間の終末期は様々であり、その対応に関して医療現場では少なからず混乱があるのが現状です。安楽死や延命治療の中止に関する医療行為が刑事事件となり、どこまで倫理的・法的に許されるかが大きな問題になっていることは周知のことです。少なくとも回復の可能性がなく死期の迫った患者に苦痛だけを与える延命処置は無意味と考えます。
平成19年5月厚生労働省より「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」が提示されました。このガイドラインに沿って介護・医療関連施設ではそれぞれの施設に合った独自のガイドラインを作成し終末期医療に対応しているものと思います。終末期の医療・ケア方針を決定する場合の基本方針は2つあります。患者本人の意思を最優先とし、患者の意思が確認できない時は推定意思を尊重すること。もうひとつは医師の独断を避け、患者家族を含めた多職種の介護・医療従事者で構成された医療チームで判断することです。
当施設でも「終末期医療決定マニュアル」に従って、より良い終末期医療・ケアが実践できるように全職員で日々努力していきたいと思います。