医療安全情報No.146

医療安全情報No.146(H.31.01.15)(PDFファイル1144KB)

酸素ボンベ使用中に残量がゼロになった事例が報告されています

(事例1)医師は、患者の呼吸状態が悪化したため緊急で造影CT検査を指示した。看護師は、酸素ボンベが満タンであることを確認したが、酸素流量8L/分での使用可能時間を確認しないまま患者を搬送した。CT検査室の前室に到着後、中央配管からの酸素投与に切り替えなかった。約20分後、CT検査室に入室し検査準備を行っていた際、患者は下顎呼吸になり、SpO2値は90%に低下した。酸素ボンベを確認すると残量がゼロになっており、ただちに中央配管に切り替え、酸素を投与した。

(事例2)医師は、心臓超音波検査を指示した。看護師は、酸素ボンベの残量が8MPa、酸素流量5L/分での使用可能時間を確認し、病室と検査室間の搬送には十分足りると考え準備した。看護助手が患者を搬送した検査室には中央配管がなかった。臨床検査技師は、酸素ボンベを使用しながら検査を開始し、検査中に残量がゼロになっていることに気付かなかった。検査終了後、看護師と看護助手が検査室に行くと、患者の顔色は不良で呼名反応がなかった。酸素ボンベ
を確認すると、残量がゼロになっていた。