医療安全情報No.153

医療安全情報No.153(R01.08.15)(PDFファイル1132KB)

閉創前にガーゼカウントを行ったにもかかわらず、体腔内にガーゼが残存した事例57件のうち、43件で手術終了時にX線撮影が実施されています。そのうち、X線画像でガーゼを発見できなかった事例は26件報告されています。

事 例 1
緊急帝王切開術を行った。ガーゼやミクリッツガーゼのカウントが合っていたため閉腹して手術を終了した。手術終了時にX線撮影をした際、医師はカウントが合っていたという認識で画像を確認し、脊椎と重なって写っていたガーゼに気付かなかった。その後、患者にイレウス症状が出現したためCT検査を実施した。CT画像でガーゼの残存が疑われ、試験開腹したところミクリッツガーゼを発見した。

事 例 2
開心術の際、ガーゼカウントが合っていたため閉胸して手術を終了した。手術終了時に撮影したX線画像にはガーゼが写っていたが、胸骨と重なっていたため医師はガーゼに気付かなかった。その後、退院前に実施した心臓カテーテル検査の際にガーゼが残存していることが判明した。