医療関係の皆さまへ

2015年

PMDA医療安全情報No.46改訂版

PMDA医療安全情報No.46改訂版(H27.12.18)(PDFファイル696KB)

血液浄化装置使用時の注意点

  • 事例1)血液浄化開始後、抗凝固薬シリンジが正しく装着されていないことに気づき、シリンジポンプからシリンジを取り外したところ、薬液が急速注入されてしまった。
  • CHDF施行中に静脈圧上昇アラームが発生し、対処後に治療を再開した。その後、血液ポンプが停止した状態で回路内の血液が分離していることに気づいた。安全に使用するための注意するポイント
  •  抗凝固薬の急速注入について
    抗凝固薬シリンジをシリンジポンプに適切に装着すること。
    血液ポンプ運転中にシリンジポンプからシリンジを取り外す時は、必ず抗凝固薬ラインを鉗子などでクランプすること。
  • アラーム発生後の血液ポンプ運転忘れについて
    治療を再開した時は、血液ポンプなどが回転していることを確認すること。

医療安全情報No.109

医療安全情報No.109(H27.12.15)(PDFファイル1131KB)

採血時の検体容器間違い

採血を行う際、他の患者の検体容器と取り違えた事例が9件報告されています(集計期間:2012年1月1日~2015年10月31日)

事例1)リーダー看護師は、検査部から採血管が届いていなかったため、患者Aの採血管2本(血算・生化)と患者Bの採血管3本(血算・生化・凝固)を準備し、一つのトレイに入れた。患者Aの受け持ち看護師は、採血を行う際、トレイ内の採血管5本中2本の氏名が患者Aであることを確認し、残りの3本の氏名を確認しなかった。採血を実施し、採血管5本全てに患者Aの血液を分注し検査部に提出した。患者Bの主治医は、患者Bの採血管がなかったため準備し、採血後に検査部に提出した。その際、既に患者Bの検体が提出されていると指摘された。

事例2)看護師は患者Aと患者Bの採血管をワゴンに乗せ、患者Aのベッドサイドへ行き、患者確認を行った。採血の直前に、排泄介助が必要な患者Cのナースコールが鳴ったため、採血管をワゴンに置いて患者Cのところへ向かった。すでに他の看護師が患者Cのトイレの介助をしていたので、患者Aのところに戻り採血を再開した。その際、ワゴンに一緒に置いていた患者Bの採血管を手に取り、照合を行わないまま採血を行った。検査科で前回値との比較を行い、病棟に疑義の問い合わせがあった。

医療安全情報No.108

医療安全情報No.108(H27.11.16)(PDFファイル1143KB)

アドレナリンの濃度間違い

手術時、医師と看護師の確認が不十分なまま、医師の意図より高濃度のアドレナリン希釈液を皮下注射した事例が報告されています。

  • 事例1)医師はアドレナリン50万倍希釈液(0.0002%ボスミン)を皮下注射する予定であった。手術前、医師は器械出し看護師に「ボスミン生食をください」と指示した。器械出し看護師は、院内製剤の0.05%ボスミン液(アドレナリン2,000倍希釈)だと思い、医師に「0.05%ですか」と確認したところ、医師は詳細を確認せず「うん?うん。」と返答した。器械出し看護師は0.05%ボスミン液が外用目的の製剤と知らず、注射器に準備した。医師が手術部位に計60mLを皮下注射したところ、頻脈 ・ 高血圧が出現し、心室細動となった。
  • 事例2)手術中、医師は外回り看護師に「10万倍ボスミン」と指示した。外回り看護師は、「3000倍ボスミンならあります」と答えた。医師は3000倍ボスミンが外用目的の院内製剤とは知らず、準備するよう伝えた。外回り看護師が清潔野のビーカーに¥3000倍ボスミンを注ぎ、医師はビーカーから注射器に充填して7mL局所注射した。その直後、血圧上昇、脈拍数が増加し、心室細動となった。
  • 事例が発生した医療機関の取り組み
    手術中にアドレナリン希釈液を使用する場合、医師と看護師の双方で、薬品名だけでなく濃度と用法を確認する。
    外用目的の院内製剤のラベルに「禁注射」と表示する。

医療安全情報No.107

医療安全情報No.107(H27.10.15)(PDFファイル1108KB)

  • 電気メスによる薬剤の引火(第2報)
    電気メスを使用したことにより、薬剤に引火した事例が再び報告されています。
  • 事例1)開腹手術のため、両側腹部に「イソジン垂れ込み防止用パッド」を貼り、クロルヘキシジングルコン酸塩消毒用液EW0.5%「NP」に浸した綿球で皮膚消毒を行い、パッドを貼付したまま覆布をかけた。手術開始後、電気メスを使用していたところ、医師は覆布が焦げていることに気づいた。覆布をめくり確認したところ、患者の右側腹部に熱傷が生じていた。覆布の下にパッドから気化したエタノールが溜まり、引火した可能性があった。
  • 事例2)心タンポナーデの手術を速やかに開始するため、胸部から腹部までイソジンフィールドで消毒を行った。心タンポナーデ解除後に自己心拍が再開せず、鼠径部を切開することになり、さらに大腿部にイソジンフィールドを塗布した。その直後に電気メスを使用したところ、患者の身体の下の消毒剤の溜まりに引火し、両鼠径部から側胸部・腋窩にかけて熱傷が生じた。

PMDA医療安全情報No.47

PMDA医療安全情報No.47(H27.9.18)(PDFファイル2123KB)

薬液投与ルートの取扱いについて

  • 事例1)ダブルルーメンのCVカテーテルからブドウ糖の投与を行う際、誤ってアドレナリンのルートから、ワンショット投与してしまい、患者が心室細動を生じた。
  • 事例2)酸素マスクに接続していた酸素チューブを再接続する際に、輸液ルートのコネクタに接続してしまった。
  • 事例3)硬膜外麻酔用ルートを再接続する際に、輸液ルートに接続してしまった。
  • 事例4)薬液投与開始時、2つの輸液ポンプの流量を逆に入力して投与を開始してしまった。

PMDA医療安全情報No.46

PMDA医療安全情報No.46(H27.5.15)(PDFファイル691KB)

  • 事例1)血液浄化装置使用時の注意点血液浄化開始後、抗凝固薬シリンジが正しく装着されていないことに気づき、シリンジポンプからシリンジを取り外したところ、薬液が急速注入されてしまった。
  • 事例2)CHDF施行中に静脈圧上昇アラームが発生し、対処後に治療を再開した。その後、血液ポンプが停止した状態で回路内の血液が分離していることに気づいた。

 

医療安全情報No.106

医療安全情報No.106(H27.9.15)(PDFファイル1163KB)

  • 小児の薬剤の調製間違い
  • 小児の薬剤を調製する際、計算間違いや思い込みにより調製を間違え、過量投与した事例が報告されています。
  • 事例1)0ヶ月の患児に「バンコマイシン40mg+生食5mL 5mL/h 1日3回」の指示があった。本来であれば、バンコマイシン0.5gを生食5mLで溶解し、そのうち0.4mLが40mgになるが、看護師Aは「1g=100mg」(正しくは1g=1000mg)と思い込み暗算した。看護師Aは確認のため、看護師Bに「バンコマイシン0.5gを生食5mLで溶解して4mLでいいね」と口頭で言い、看護師Bは自分で計算しないまま「はい、そうです」と答えた。看護師Aはその通りに調製し、投与した。翌日、バンコマイシンの血中濃度の上昇を認め、調製の間違いに気づいた。
  • 事例2)2歳の患児にプログラフ注射液2mg(0.4mL)を0.18mg/48mLに調製して持続静注を開始する際、小児科医師は注射オーダに「生食19.6mLとプログラフ0.4mLを混ぜ0.1mg/mLとし、その内1.8mLを生食と足して計48mLとする」と調製方法をコメントしていた。薬剤師が計算した際に計算式を誤り0.18mgのところ1.8mgとし、その後、医師のコメントと照合しなかった。そのため、本来であれば0.1mg/mLとしたプログラフ1.8mL(=0.18mg)のところ18mLで調製し、投与した。翌日、薬剤部でプログラフを調製した際、前日の調製の間違いに気づいた。

医療安全情報No105

医療安全情報No.105(H27.8.17)(PDFファイル1152KB)

  • 三方活栓の開閉忘れ
    三方活栓の開放を忘れたため薬剤が無投与となった事例や、閉鎖を忘れたため血液が逆流した事例が報告されています。
  • 事例1)ヒューマリンR調製液をシリンジポンプで開始することになった。看護師はシリンジポンプに注射器をセットした後にラインを三方活栓に接続したが、三方活栓を開放しないままポンプの開始ボタンを押した。その後、ヒューマリンR調製液が投与されていないことに気付いた。
  • 事例2)点滴が終了し、看護師はロックのため輸液セットを外し、三方活栓から生食を注入した。本来であれば三方活栓の流路を閉鎖し注射器を外すところ、他の患者に呼ばれ、三方活栓を開放したまま注射器を外し、その場を離れた。その後、患者のもとへ戻ると、開放していた三方活栓から血液が逆流しているのを発見した。

医療安全情報No.104

医療安全情報No.104(H27.7.15)(PDFファイル1139KB)

  • 腫瘍用薬処方時の体重間違い
    誤った体重で腫瘍用薬を処方したため、過量に投与された事例が報告されています。事例1)医師はオーダリング画面で患者A(1歳)にオンコビン注射用の処方を行う前に、同一疾患・同一プロトコルで加療中の患者B(3歳)の電子カルテを参照した。その後、参考にした患者Bの身長と体重で算出した体表面積に基づく薬剤量を、そのまま患者Aに処方した。時間外の処方であったため、薬剤部では体重のチェックが行われずに、病棟に薬剤が交付された。看護師は指示の通り調製を行い、医師が静注した。その後、薬剤部が確認した際に、患者Aの身長と体重で計算した量よりも実際の投与量が多いことに気付き、医師に問合せたがすでに投与は終了していた。

    事例2)腫瘍用薬の処方は、患者の身長・体重を入力すると体表面積が計算され、薬剤量が算出されることになっている。外来時、医師は患者の体重が測定されていなかったため、「99kg」と仮の体重を入力し、その後変更するつもりでエルプラット点滴静注液を処方した。投与当日、医師は処方の体重を「43.1kg」と修正した。しかし、すでに薬剤部で調製が終了しており、修正した体重は反映されないまま患者に投与された。その後、薬剤師が投与量を再度計算し、患者の体重で計算した量と実際に投与した量が違うことに気付いた。

    事例が発生した医療機関の取り組み
    ・レジメンオーダ時に体重を測定し、正しい値で処方を行う。

医療安全情報情報No.103

医療安全情報No.103(H27.6.15)(PDFファイル1183KB)

  • 2011年から2013年に提供した医療安全情報
    ◆2011年以降(No.50~)に公表した医療安全情報の再発・類似件数です。
    ◆再発・類似事例が5件以上報告された医療安全情報のみ事例を掲載しています。No.50 手術部位の左右の取り違え(第2報) 8件
    No.54 体位変換時の気管・気管切開チューブの偶発的な抜去 1件
    No.56 MRI検査時の高周波電流のループによる熱傷 2件
    No.57 PTPシートの誤飲 5件
    No.58 皮下用ポート及びカテーテルの断裂 2件
    No.59 電気メスペンシルの誤った取り扱いによる熱傷 8件
    No.61 併用禁忌の薬剤の投与 1件
    No.62 患者の体内に植込まれた医療機器の不十分な確認 2件
    No.63 画像診断報告書の確認不足 9件
    No.66 インスリン含量の誤認(第2報) 1件
    No.68 薬剤の取り違え(第2報) 3件
    No.69 アレルギーのある食物の提供 5件
    No.70 手術中の光源コードの先端による熱傷 4件
    No.71 病理診断報告書の確認忘れ 4件
    No.73 放射線検査での患者取り違え 2件
    No.77ガベキサートメシル酸塩使用時の血管炎(第2報) 2件
    No.78持参薬を院内の処方に切り替える際の処方量間違い 1件
    No.80 膀胱留置カテーテルによる尿道損傷 14件
    No.81 ベッド操作時のサイドレール等のすき間への挟み込み 1件
    No.83 脳脊髄液ドレナージ回路を開放する際の誤り 1件
    No.84 誤った処方の不十分な確認 1件
    No.85 移動時のドレーン・チューブ類の偶発的な抜去 2件

 

医療機器等安全性情報No.102

医療安全情報No.102(H27.5.15)(PDFファイル1144KB)

  • 口頭指示の解釈間違い
    口頭指示や依頼をした際、意図した内容が受け手に伝わらず、間違って解釈した事例が報告されています。
  • 事例1)医師は患者に上部消化管内視鏡検査を開始したところ嘔吐反射が強く、喉まで進めたところで検査終了となった。医師は、内視鏡室に入ってきた看護師に「検査していない」と伝え、内視鏡を検査台にかけた。看護師は医師の言葉を「内視鏡を使用していない」と解釈した。医師と看護師の会話を聞いた内視鏡洗浄担当の看護助手も、内視鏡は使用していないと解釈し、洗浄・消毒しないまま別の患者に使用した。
  • 事例2)看護師は前日に使用した塩化ナトリウム注10% 20mLの実施済み入力を依頼するため、研修医に「打って下さい」と伝えた。研修医は、静注するという意味の「打つ」と解釈し、塩化ナトリウム注10%を患者に静注した。

医療安全情報No.101

医療安全情報No.101(H27.4.15)(PDFファイル1150KB)

  • 薬剤の投与経路間違い
    正しい用法の指示があったにもかかわらず、薬剤の投与経路を間違えた事例が報告されています。
  • 事例1)リスパダール内用液0.5mLは、皮下注射時に使用する注射器に吸い取られ、針が付いた状態で内服薬用の薬杯の中に準備されていた。看護師は指示を確認しないまま、リスパダール内用液を皮下注射した。翌日の勤務者がリスパダール内用液を患者に内服させた際、患者より「昨日は注射をしてもらった」と発言があった。前日の勤務者に確認したところ、リスパダール内用液を皮下注射したことが分かった。
  • 事例2)内視鏡的処置後の患者に、トロンビン液5000単位 1日3回を経口投与の指示が出ていた。看護師は、冷所保存されていたトロンビン液ソフトボトルを内服用薬袋から取り出した。しかし、トロンビン液が経口薬であることを知らず、ボトルの「禁注射」の記載を見て、トロンビン液を注射器に吸い取って静脈注射することが「禁」だと解釈した。その後、指示などを確認しないままボトルを輸液ルートの側管に接続し、静脈注射した。

医療安全情報No.100

医療安全情報No.100(H27.3.16)(PDFファイル1142KB)

  • 2014年1月~12月に医療安全情報No.86~No.97を毎月1回提供いたしました。
    今一度ご確認ください。
  • No.86★禁忌薬剤の投与
    No.87★足浴やシャワー浴時の熱傷
    No.882013年に提供した医療安全情報
    No.89シリンジポンプの取り違え
    No.90★はさみによるカテーテル・チューブの誤った切断
    No.912006年から2012年に提供した医療安全情報
    No.92人工呼吸器の配管の接続忘れ
    No.93腫瘍用薬のレジメンの登録間違い
    No.94★MRI検査室への磁性体(金属製品など)の持ち込み(第2報)
    No.95セントラルモニタの送信機の電池切れ
    No.96インスリン注入器の取り違え
    No.97肺炎球菌ワクチンの製剤の選択間違い★のタイトルについては、提供後、2014年12月31日までに類似事例が発生しています。

医療安全情報No.99

医療安全情報No.99(H27.2.16)(PDFファイル1139KB)

  • 胸腔ドレーン挿入時の左右の取り違え
    胸腔ドレーンの挿入または胸腔穿刺の際、左右を取り違えた事例が報告されています。全て、処置直前に部位の確認を行わなかった事例です。 
  • 事例1)左気胸の患者に胸腔ドレーンを挿入することになった。普段、患者は座位で待っており、処置直前に体位を整えるが、今回は医師が診察室に入室すると、すでに患者は右側から処置をする向きでベッドに仰臥位になっていた。医師はその向きが正しいと思い込み、右胸部にマーキングし、ドレーンを挿入した。その後、ドレーンのエアリークがないことに気付き、誤って右側に挿入したことが分かった。
  • 事例2)外来診察医師Aと病棟担当医師Bは、左気胸の診断にて入院した患者の画像でドレーン挿入予定位置を確認した。2時間後、処置室が使えなかったため病室で行うことにした。処置を行いやすくするため、患者の頭側と足側を反対にした。その際、医師は左右を勘違いし、左側臥位にして右第2肋間にマーキングをし、ドレーンを挿入した。ドレーン先端位置確認のため胸部X線を撮影したところ、誤って右側に挿入したことが分かった。

安全性速報(H27.2.4厚生労働省発表)

ラミクタール錠安全性速報(H27.2.4)(PDFファイル323KB)

  • ラミクタール® 錠小児用2mg、5mg、ラミクタール® 錠25mg、100mg による重篤な皮膚障害について厚生労働省より安全性速報(ブルーレター)が発表されました。2014 年9 月~2014 年12 月までの約4 ヵ月の間に、本剤との因果関係が否定できない重篤な皮膚障害が発現し、死亡に至った症例が4 例報告されました。これら4 例はいずれも用法・用量が守られていない症例であり、皮膚障害の発現後、重篤化するまで本剤の投与が中止されていない症例でした。そこで、更なる適正使用の徹底を図るべく、本剤の「使用上の注意」の「警告」を改訂することに致しました。

    なお、これらの症例を含めて、2008 年12 月12 日の販売開始以降、2015 年1 月26 日までの間に、本剤の投与により、重篤な皮膚障害が発現し死亡に至った症例が16 例報告されております(推定使用患者約376,000人注)。注)推定使用患者数は販売開始から2014 年12 月31 日まで本剤の使用にあたっては、以下の点につきましてご留意ください。

    用法・用量を遵守してください。
    用法・用量を超えて本剤を投与した場合に皮膚障害の発現率が高くなります。
    ・投与開始時は定められた用法・用量を超えないこと
    ・バルプロ酸ナトリウム併用時の投与開始2 週間までは隔日投与にすること(成人のみ)
    ・維持用量までの漸増時も定められた用法・用量を超えないこと
    ・増量時期を早めないこと
    皮膚障害の早期発見、早期治療に努めてください。
    ・発疹に加え以下に示す症状があらわれた場合には、重篤な皮膚障害に至ることがあるので、直ちに本剤の投与を中止
    すること

    ○発熱(38℃以上) ○眼充血○口唇・口腔粘膜のびらん ○咽頭痛○全身倦怠感 ○リンパ節腫脹 等
    ・処置が遅れると重篤な転帰をたどることがあるので、早い段階で、皮膚科専門医に相談し、適切な処置を行うこと
    ・患者又は家族に対して、発疹や上記の症状があらわれた場合には直ちに受診し、医師・薬剤師に本剤を服用している旨
    を伝えるよう指導すること

 

医療安全情報No98

医療安全情報No.98(H27.1.15)(PDFファイル1157KB)

「カリウム製剤の投与方法間違い」

  • 事例1)医師はシリンジポンプで5mL/hで持続投与を意図し、「CV内頚 側管1 K.C.L.点滴液15%(40mEq/20mL)+生理食塩液(20mL)1日3回」と指示したが、投与速度、投与方法の指示は
    していなかった。看護師はアンプルに記載してある『点滴専用 薄めて点滴』という表示を見て、指示内容を確認するため手術室に電話した。手術室看護師に「オーダ通りに投与していいか」と手術中の医師に聞いてもらったところ、医師はシリンジポンプを使用すると思っていたため、
    「いいです」と返答があった。看護師は指示通りに調製し、モニタを見ながら中心静脈ラインの側管からカリウム製剤の調製液を注入した。残量が6mLのところでSpO2低下のアラームが鳴ったため、注入を中止した。
  • 事例2)上級医は「患者の補液(ソルデム3A)に、KCL10mL追加」と口頭で指示した。看護師は、KCL注20mEqキット(プレフィルドシリンジ型製剤)に専用針を付けず、注射器に10mL吸い取って研修医に渡した。研修医は、カリウム製剤の投与は初めてであったため不安になり、上級医に「静注でいいですか」と確認したところ、「やっておいて」と回答があった。研修医は、静脈ラインの側管に注射器を接続し、KCL注10mLの注入を開始した。