インターンシップ 施設見学

老人保健施設はインターンシップ、施設見学を受け入れています。老人保健施設は、医師、看護師、介護福祉士、理学療 法士、作業療法士、管理栄養士、支援相談員、薬剤師が一体となり、家庭への復帰に向けて、日常生活の自立を目指して支援を行なう施設です。その在宅復帰支 援施設としての役割や、施設での高齢者の生活について知る中で、看護師、介護福祉士の果たす役割について学んでいただきたいと思います。実習では、利用者様と充分コ ミュニケーションがとれるよう環境的配慮を行なっています。

在宅看護論実習

訪問看護ステーションはまおかは平成10年より、東海アクシス看護専門学校の在宅看護論実習を受け入れています。訪問看護は在宅で療養者とそのご家族が安心して生活できるように、療養者の身体的援助(健康管理・医療処置・日常生活援助等)のみならず、介護者に対する精神的支援、療養者をサポートする多職種への協力や助言などを行っています。
そこで在宅実習では、看護師と一緒に自宅を訪問し、一緒にケアを提供したり、ご家族のお話を聞かせていただくなど、在宅生活ならではのケアを体験していただき、訪問看護師の果たすべき役割や、在宅と病院との違い、病院での指導が在宅でどのように活かされているかなど、療養者の笑顔や思いを通して学んでいただけるように配慮しています。

訪問看護ステーションはまおかの在宅実習について

当訪問看護ステーションの変遷

平成7年 町立浜岡総合病院(現市立御前崎総合病院)の外来看護師により訪問看護活動を少しずつ始める
平成8年2月 訪問看護室が設置され、訪問看護活動を正式にスタート
平成12年 介護保険法が導入
平成13年5月 浜岡町総合保健福祉センター(現御前崎市総合保健福祉センター)開設に伴い、訪問看護ステーションとして開設

Ⅰ 理念

地域住民ニーズに基づき、利用者・家族が安全で安心した在宅療養が継続できるように、利用者および家族に療養の仕方、看護方法の助言や指導、看護の提供を行う。
利用者・家族それぞれの生き方や生活スタイルを尊重する気持ちを持ち、看護活動を通じて、利用者の自立やQOLを確保する。また家族の介護力を引き出し、
高めることで在宅生活を継続できるように支援する。

Ⅱ 目的

  1. 訪問看護の提供を通して、利用者および家族を支える
    • 在宅の視点をもつ
    • 信頼される人間関係を作る
    • 利用者・家族の思いやニーズを理解する
  2. 訪問看護サービスを通し、地域における役割を果たす
    • 他職種と連携をとる・・・コーディネーターとしての役割
      (看護の専門的立場から、生活全体を診断・評価し、関連機関と連携をとっていく)

Ⅲ 対象者

  1. 疾病・負傷により居宅において継続して療養を受ける状態にある方で、居宅において訪問看護(療養上の世話や必要な診療の補助)が必要であるとかかりつけ医(主治医)が認めたもの
  2. 介護保険
    病状が安定期にあり、訪問看護が必要であると主治医が認めた、要介護者または要支援者
  3. 医療保険(後期高齢者医療保険含む)

以下に該当し、主治医から訪問看護が必要であると認められた人

1)40歳未満の者
2)40歳以上65歳未満の、16特定疾病患者以外の者
3)40歳以上の16特定疾病患者、または65歳以上の者であって、要介護者・要支援者でない者

~ 疾患としては、以下の利用者が多いです~

脳血管障害 神経難病 末期がん(在宅中心静脈栄養法・疼痛コントロール)
内分泌疾患 心疾患 呼吸器疾患(在宅酸素療法)
骨格系疾患(慢性関節リュウマチ・骨折) 認知症   など

* 要介護4~5で、医療依存度の高い利用者が多い

Ⅳ 訪問看護の内容

  1. 在宅療養を困難にする問題の発見・予想・判断
  2. 利用者、家族のもつ潜在的可能性または在宅ケアの継続を可能にする条件や方法の発見
  3. 在宅ケア上、必要とされる情報の提供
  4. 看護技術の提供
  5. 家族への励まし
  6. 家族全体の健康管理
  7. 療養環境の整備

< 訪問看護活動内容 >

訪問時 ①状態の観察 基礎疾患(状態や処方内容の理解)
全身状態、生活状況の把握、バイタルサイン、
食事、排便、尿量、皮膚の状態、睡眠、ADLなど
  ②処置 チューブ類の管理(経管栄養・胃瘻・尿管など)
膀胱洗浄、排便処置、褥瘡、創傷処置、
気管カニューレの管理、吸引、死後の処置など
  ③リハビリ ROM、歩行、移乗、ADL訓練など
  ④精神的支援 利用者・家族の話を傾聴する
  ⑤介護支援・指導 一緒に実施する中で行う
退院指導のフォローアップ
身体の保清(入浴、清拭、衣類交換、髭剃り、爪きり口腔ケアなど)
リハビリに関すること(移乗、体位変換、ROM)
栄養、食事に関する相談・指導
緊急時の対応方法について
社会資源活用の調整
介護用具、家屋改修のアドバイス
療養環境の整備
その他 ①相談業務 介護者の不安や悩みを聴く(来所時や電話相談)
  ②訪問依頼ケースの対応 利用者・家族と面談、訪問計画の調整
  ③ケース検討 カンファレンス、サービス担当者会議、
訪問看護ステーション協議会、地域ケア会議
  ④病床訪問 入院時、ショートステイ利用時
  ⑤外来受診援助 外来への情報提供、入院時看護サマリー
  ⑥主治医・ケアマネージャーへの情報提供及び報告
  ⑦看護記録・報告

Ⅴ 看護体制

看護師4名(常勤3名、非常勤1名)
夜間・休日は携帯電話による24時間体制をとり、対応している

Ⅵ 日課表

8:15 センター1階事務所 朝の連絡・調整に参加
必要時、朝のショートカンファレンス
訪問予定利用者の確認と情報収集・訪問の準備
8:30 実習開始

出欠席報告、記録物の提出、調整
実習看護目標の発表(一人5分程度で)

9:00 訪問活動
12:00 休憩
12:45 カンファレンス
13:30 訪問活動
17:00 実習終了

訪問看護のマナー

在宅では利用者さんと家族が主人公です。

訪問時は客としての態度で、他者の家へ土足でずかずかと踏み込むような言動は慎むべきです。そこのお宅の生活を乱さないで、必要なことを何気なくするという態度を忘れないようにしましょう。(訪問看護は)利用者にとって必要なことなので、たとえ来てもらうといっても家族は緊張するものです。

  1. あいさつ
    利用者・家族との交流の第一歩です。訪問時の笑顔と挨拶は欠かせません。
    特に初対面の時には、利用者・家族。・訪問看護師もみんな緊張していることが多いです。
    処置・ケアをする時の言葉かけを忘れないようにしましょう。
    (意識のない利用者さん、コミュニケーションのとれない利用者さん)
    帰りの挨拶は、利用者・家族の安心につながります。
    「お大事にして下さい」「困った時にはいつでも連絡をして下さい」
  2. 服装
    外見での第一印象はかなり相手に影響を与えるものです。
    専門職として、清潔できちんとした服装を心がけましょう。
  3. 何かをする時のお願い
    家にあるものを、必要最小限に使わせていただきます。(タオル・石鹸・お湯など)
    プライベートな部屋に入ることへの配慮が必要です(台所・洗面所・風呂場・トイレ)
    経済的・身体的負担を配慮します。(洗濯物の量・片付け・紙おむつ)

家族は私たちの介護方法をみて、家庭介護を学ぶ場になります。
“一緒にさせていただく”という気持ちを忘れないようにしましょう。