院長所感
病院長 鈴木基裕

病院長 鈴木基裕

 この度4月1日付をもちまして、大橋弘幸前病院長の後任として、病院長に就任致しました鈴木基裕と申します。私は、1992年に浜松医科大学を卒業し、同整形外科学教室に入局しました。以後、医局関連および大学病院で整形外科医として診療に従事してきました。昨春からは、当院に副病院長として着任し、整形外科は、私を含めた3名の常勤体制で外傷や変性疾患の診療を行っています。私は、整形外科領域の中で関節リウマチと関節外科を専門としているため、昨年度は、当院のリウマチセンターに通院中の患者様の外科的治療を数多く担当させていただきました。
 当院では、回復期病棟が院内にあるため、術後の患者様は転院することなくリハビリを継続することができます。これは、術後経過を一貫してフォローアップできるため安心・安全な医療を患者様に提供できるだけでなく、私たち医療従事者側もモチベーションがあがり、双方にメリットがあると考えています。加えて言えば、病院の敷地内に併設さえている「老人保健施設はまおか」があることによって、ご高齢の患者様に対する医療が、急性期から回復期そして療養期に至るまで、自院で完結が可能です。
 私が医療における座右の銘としている言葉は、「医は仁術」と「鬼手仏心」です。常に患者様それぞれにおける最善の医療を心掛けたいと考えていますが、病院の設備や人員不足などにより、必ずしも思い通りにいかないことも珍しくありません。さらに最近のコロナ禍では、自分の思いどおりにはならない医療の日常に、ことさら歯がゆさを感じることが多くなりました。このような状況においても、当院は今自分たちにできる医療を真摯に考え、職員一丸となって地域医療に貢献して参りたいと思っています。
 当院に関しましてお気づきの点がございましたら、私共までお気軽にご連絡ください。皆様方のご意見を反映させて、さらに地域に密着した病院を目指していきたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。

市立御前崎総合病院
病院長 鈴木基裕

市立御前崎総合病院について

本院は、歴史をひもとくと昭和61年に浜岡町民の強い要望で設立されました。人口2万数千人足らずの浜岡町が総合病院を建設し、運営したのですから、大変な苦労があったものと思います。また、旧御前崎町と旧浜岡町が合併して平成16年に御前崎市が誕生し、本院も市立御前崎総合病院と改称されました。本院は、順調にその規模と診療科を充実させてきました。しかし、平成16年度からの新研修医制度の始まりと医療費抑制政策によって、全国的な医師不足の例にもれず、本院から多くの診療科の医師が引き上げ、常勤医の不足と財政負担の増大などで本院も大きな打撃を受けました。現在は、この痛手から何とか立ち直ろうとする途上にあります。しかし地域医療を取り巻く環境は依然として厳しく、体力の弱い病院から順次消滅していますが、これからも市場原理にもとづいて病院の取捨選択が行われると思われます。現在、本院も病院の改革・改善を懸命に実行しようとしています。しかし、医師数の減少と一般病床の縮小、病棟の閉鎖が進行しており、困難な状況が続いております。