医療安全情報No.157(R.01.12.16)(PDFファイル714KB)
グリセリン浣腸を立位で実施し、直腸損傷をきたした事例が報告されています。
事 例 1
患者は4日間排便がなかった。看護師は左側臥位で浣腸をしようと思ったが、患者の希望によりトイレに移動し、立位でグリセリン浣腸液を注入した。10分後、トイレよりコールがあり、患者は排便困難を訴えた。肛門周囲を見ると、3cm幅の腫脹と少量の出血を認めた。医師が診察し、CT検査を実施したところ、直腸穿孔と診断された。
事 例 2
患者は8日間排便がなく、医師はグリセリン浣腸の指示を出した。患者はトイレでの実施を希望したため、看護師はトイレで立位でグリセリン浣腸液を注入した。排便時に出血を認め、その後、腹部CT検査を実施したところ、肛門部から約3cmの辺りに粘膜損傷を認めた。