医療安全情報No.156

医療安全情報No.156(R01.11.15)(PDFファイル729KB)

検査・治療時の鎮静の際、医師が投与量を決めて注射薬を投与する予定であったが、指示が適切に伝わらず、看護師がタイミングや投与量を誤って投与した事例が報告されています。

事 例 1
医師は、気管支鏡検査のためミダゾラム注射液10mg1Aと生理食塩液20mLをオーダした際、
「気管支鏡検査室に持参」とコメントを入れ忘れた。その後、検査室から連絡があり、看護師は注射指示を確認して検査前投薬と思い、ミダゾラム1A+生理食塩液20mLを調製した。病室で全量を投与したところ、患者の自発呼吸が止まった。

事 例 2
16時に胆道シンチグラフィを予定していた。14時30分頃、検査室から連絡があり、看護師は医師に伝えず患児を検査室に連れて行った。10分後、検査室から鎮静が必要と連絡があった。看護師は医師のオーダを確認し、病棟に届いていたイソゾール注射用0.5g1Vを注射用水20mLで溶解して全量を生理食塩液100mLに混注し、検査室に持って行き投与を開始した。16時前に医師が検査の状況を聞いた際、看護師は検査室に行きイソゾールを投与していると答えた。医師が急いで検査室に行ったところ、患児の自発呼吸は微弱であった。

医療安全情報No.155

医療安全情報No.155(R.01.10.15)(PDFファイル1148KB)

小児用ベッドのベッド柵を一番上まで上げていなかったため、患児が転落した事例が報告されています。

事 例 1

看護師は、ベッド柵を中間の高さにして患児(4歳)の血圧測定と聴診を行った。
その後、母親がそばにいるからと思いベッド柵を一番上まで上げずに退室した。
母親はベッド柵が中間の高さになっているとは思わず、尿器を片付けようとベッドから目を離した際に患児がベッドの上で立ち、柵に寄り掛かって転落した。

事 例 2

患児(0歳)は、小児用ベッドに寝ており、ベッド柵は一番下まで下げられていた。
母親はベッドの横に立ち、看護師はベッドに背を向けていた。看護師が入院時の持参物品について確認した際、母親は物品を取ろうと患児から離れた。母親と看護師が患児から目を離した隙にドンと音がしたため振り向くと、患児は転落していた。

医療安全情報No.154

医療安全情報No.154(R.01.09.17)(PDFファイル1136KB)

患者Aのオーダをする際、電子カルテの患者氏名を確認せず、誤って患者Bの画面でオーダ
した事例が報告されています。

事 例 1
夜間帯に、患者Aは痙攣重積で救命病棟に、患者Bは発熱で小児科病棟に入院した。
医師は、電子カルテの患者氏名を確認せず、患者Aのホストイン静注を患者Bの画面で処方した。その後、救命病棟の看護師から患者Aのホストイン静注が処方されていないと報告があった。医師は、入力した内容が登録されていなかったと考え、患者Aの画面で処方した。薬剤師は、続けて2名の患者にホストイン静注が処方されたことが気になり医師に確認したところ、患者Bに誤って処方していたことが分かった。

事 例 2
手術室で患者Aの赤血球液(RBC)を輸血部にオーダする際、電子カルテは一件前に手術した患者Bの画面であった。医師は、患者氏名を確認しないままオーダし、輸血部より患者BのRBCが払い出された。

医療安全情報No.153

医療安全情報No.153(R01.08.15)(PDFファイル1132KB)

閉創前にガーゼカウントを行ったにもかかわらず、体腔内にガーゼが残存した事例57件のうち、43件で手術終了時にX線撮影が実施されています。そのうち、X線画像でガーゼを発見できなかった事例は26件報告されています。

事 例 1
緊急帝王切開術を行った。ガーゼやミクリッツガーゼのカウントが合っていたため閉腹して手術を終了した。手術終了時にX線撮影をした際、医師はカウントが合っていたという認識で画像を確認し、脊椎と重なって写っていたガーゼに気付かなかった。その後、患者にイレウス症状が出現したためCT検査を実施した。CT画像でガーゼの残存が疑われ、試験開腹したところミクリッツガーゼを発見した。

事 例 2
開心術の際、ガーゼカウントが合っていたため閉胸して手術を終了した。手術終了時に撮影したX線画像にはガーゼが写っていたが、胸骨と重なっていたため医師はガーゼに気付かなかった。その後、退院前に実施した心臓カテーテル検査の際にガーゼが残存していることが判明した。

PMDA 医療安全情報No.58

PMDA医療安全情報No.58(R.01.07.31)(PDFファイル927KB)

誤接続防止コネクタの導入について(経腸栄養分野)

1 経腸栄養分野における新規格製品に関する注意点(その1)_旧規格製品の出荷停止2019年12月以降、新規格製品(ISO80369-3)の準備が整い次第、販売が開始され、旧規格製品の出荷は2021年11月末に終了する。

2 経腸栄養分野における新規格製品に関する注意点(その2)_変換コネクタの準備原則として一斉に切替えることが重要であるが、施設を移動する患者に対しても適切な医療等が行える体制を整える必要があるため、新規格製品と旧規格製品を接続するためのコネクタ(以下、「変換コネクタ」という。)を準備するなどの対応をすること。

医療安全情報No.152

医療安全情報No.152(R01.07.16)(PDFファイル1125KB)

閉創前にガーゼカウントを行ったにもかかわらず、体腔内にガーゼが残存した事例が57件報告されています。そのうち48件はカウントが合っていた事例です。

事 例 1
帝王切開術を行った。子宮閉創前、閉腹前にガーゼカウントを行った際、看護師は丸まったガーゼを目視で数え、合っていることを確認した。手術終了時に撮影したX線画像で、医師は腹腔内にガーゼが残存していることに気付き、再開腹してガーゼを取り出した。カウント済のガーゼの数を再度確認したところ1枚少なかった。

事 例 2
開腹にて右半結腸切除術を行った。手術器具をまとめるために使用していたX線造影材なしのガーゼ(カウント対象外)を術野外に破棄したところ、X線造影材ありのガーゼと一緒にカウントされた。ガーゼカウントは合い、閉腹して手術を終了した。その後、腹腔内にガーゼが残存していることに気付いた。

医療安全情報No.151

医療安全情報No.151(R.01.06.17)(PDFファイル1198KB)

2018年に公表した医療事故情報収集等事業 第52回~第55回報告書の「再発・類似事例の分析」で取り上げた医療安全情報のタイトルと主な事例を紹介しています

医療安全情報No.150

医療安全情報No.150(R1.0515)(PDFファイル1132KB)

病理診断報告書を確認しなかったことにより治療が遅れた事例が再び報告されています。

事 例 1
大腸癌の術前検査のため消化器内科医師は上部消化管内視鏡検査を施行し、生検を行った。外科に転科後に病理診断報告書が作成され、消化器内科医師は結果を確認しなかった。外科医師は、生検が行われていたことを把握していなかった。両診療科間では病理診断報告書の確認や患者への説明について取り決めがなかった。大腸癌の手術から4年後、貧血の精査のため上部消化管内視鏡検査が行われた。その際、4年前の病理診断報告書に胃癌と記載されていることに気付いた。

事 例 2
喉頭癌の患者に重複癌の検査目的で上部消化管内視鏡検査を施行し、生検を行った。病理診断報告書が作成されると、病理検査を依頼した内視鏡検査担当医に通知が出される。しかし、内視鏡検査を依頼した主治医には通知されず、病理診断報告書を確認しなかった。4年後、患者から物が飲み込みにくいという訴えがあり、上部消化管内視鏡検査を行った。検査結果を確認した際、4年前の病理診断報告書に食道癌と記載されていることに気付いた。

医療安全情報No.149

医療安全情報No.149(H.31.04.15)(PDFファイル1163KB)

手術・検査の前に中止する取り決めがある薬剤の中止が遅れたため、予定した手術・検査が延期になった事例が報告されています。

事 例 1
患者は、肺癌が疑われ、気管支鏡検査で生検を行う予定であった。外来主治医は、問診票の「抗血小板薬内服あり」に○印があることに気付かず、タケルダ配合錠を中止しなかった。入院時、研修医はタケルダ配合錠は胃薬だと思っており、持参薬報告書のタケルダ配合錠の備考欄に「アスピリン 7日間休薬が必要」と記載されていたが見逃し、中止しなかった。検査当日、検査室の看護師が患者に抗血小板薬の内服について確認した際、タケルダ配合錠を内服していることが分かり、検査を中止した。

事 例 2
当院の周術期に休薬する薬剤の一覧表では、イコサペントエン酸エチルを含む薬剤は術前7日間の休薬を推奨している。一覧表には院内採用薬のみ掲載されており、ロトリガは記載されていなかった。医師は、ロトリガが手術前に中止を検討する薬剤であることに気付かなかった。乳房切除術のために入院した際、手術前日に薬剤部よりロトリガは1週間の休薬が推奨されていると指摘があった。出血のリスクを考慮し、手術を延期した。

PMDA 医療安全情報No.57

PMDA医療安全情報No.57(H.31.02.26)(PDFファイル1083KB)

皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について

皮下用ポートのカテーテル損傷によって、薬液が血管外に漏出した
り、断裂片が心臓内に迷入する事例が報告されています。

PMDA 医療安全情報No.56

PMDA医療安全情報No.56(H.31.02.26)(PDFファイル508KB)

弾性ストッキング取扱い時の注意について

重度動脈血行障害患者への弾性ストッキングの着用は禁止されていますが、十分なアセスメントができていなかったため、着用させてしまい、血行障害が悪化したとの事例が複数報告されています。

医療安全情報No.147

医療安全情報No.147(H.31.02.15)(PDFファイル1175KB)

医療者が患者を支えて車椅子へ、または車椅子から移乗した際、患者の下肢がフットレストに接触して外傷を生じた事例が報告されています。

(事例1)患者はプレドニン内服と全身浮腫のため、皮膚が脆弱な状態であった。看護師が患者を支えて車椅子からベッドへ移乗する際、患者のズボンの裾が持ち上がり下肢にフットレストが直接当たっていた。移乗後に患者が下肢の痛みを訴えたため確認すると、皮膚が裂けて約8×5cmにわたり筋膜が露出していた。医師の診察後、18針縫合した。

(事例2)ベッドから車椅子へ移乗する際、理学療法士が患者を前方から支え、看護師2名が介助した。立位になり、車椅子に座るように身体の向きを変える時に誰も患者の下肢を確認していなかった。患者が「痛い」と言ったため確認すると、フットレストに下肢が当たっており出血していた。外科医師が7針縫合した。

医療安全情報No.146

医療安全情報No.146(H.31.01.15)(PDFファイル1144KB)

酸素ボンベ使用中に残量がゼロになった事例が報告されています

(事例1)医師は、患者の呼吸状態が悪化したため緊急で造影CT検査を指示した。看護師は、酸素ボンベが満タンであることを確認したが、酸素流量8L/分での使用可能時間を確認しないまま患者を搬送した。CT検査室の前室に到着後、中央配管からの酸素投与に切り替えなかった。約20分後、CT検査室に入室し検査準備を行っていた際、患者は下顎呼吸になり、SpO2値は90%に低下した。酸素ボンベを確認すると残量がゼロになっており、ただちに中央配管に切り替え、酸素を投与した。

(事例2)医師は、心臓超音波検査を指示した。看護師は、酸素ボンベの残量が8MPa、酸素流量5L/分での使用可能時間を確認し、病室と検査室間の搬送には十分足りると考え準備した。看護助手が患者を搬送した検査室には中央配管がなかった。臨床検査技師は、酸素ボンベを使用しながら検査を開始し、検査中に残量がゼロになっていることに気付かなかった。検査終了後、看護師と看護助手が検査室に行くと、患者の顔色は不良で呼名反応がなかった。酸素ボンベ
を確認すると、残量がゼロになっていた。