医療安全情報情報No.134

医療安全情報No.134(H30.1.15)(PDFファイル1137KB)

清潔野における消毒剤の誤った投与

消毒剤の入った容器が使用後も清潔野に置いてあり、誤って消毒剤を投与した事例が報告されています。

  • 事例1)冠動脈造影を行う際、消毒剤(ハイポエタノール液2%)と造影剤がサイズ・形状の似た容器に準備されていた。2つの容器には薬剤名の表示はなかった。医師Aは造影剤を注射器に吸うよう医師Bへ指示した。医師Bは消毒剤を造影剤と思い込んで注射器に吸い、医師Aに渡した。医師Aは注射器に入った消毒剤を冠動脈に注入した。
  • 事例2)手術の際、プラスチックの容器に消毒剤(ヂアミトール水)と綿球、局所麻酔剤と記載のあるビーカーにキシロカインが準備されていた。綿球を全て使用して術野を消毒後、器械台には消毒剤が入った容器とキシロカインが入ったビーカーがあり、どちらも透明な薬液であった。局所麻酔をする際、助手の医師はキシロカインと間違え、消毒剤を注射器に吸い術者に渡した。術者は注射器に入った消毒剤を皮下注射した。
  • 事例が発生した医療機関の取り組み
    1)消毒後は、消毒剤を入れた容器を清潔野に置かない。
    2)清潔野で使用する容器に薬剤名を明示する。