医療安全情報No.140

医療安全情報No.140(H.30.7.17)(PDFファイル1162KB)

腫瘍用薬の総投与量の上限を超えた投与

(事例)

総投与量の上限を超えて腫瘍用薬を投与した後、患者に影響があった事例が報告されています。
総投与量は、患者の生涯にわたって投与する累積量です。

2年前に子宮体癌の再発でAP療法を6コース実施した。1年前に癌が再発し腫瘍摘出術の施行後にAP療法を3コース実施した。この時点で、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は470mg/m2であった。医師はドキソルビシン塩酸塩の総投与量の上限が500mg/m2であることを知っていたが、正確な記録はなく、さらにAP療法を6コース実施した。その後、患者は心筋障害を発症し、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量を調べたところ、620mg/m2であった。