医療安全情報No.144

医療安全情報No.144(H.30.11.16)(PDFファイル1131KB)

病理検査を行うために採取した検体が提出されなかった事例が報告されています

(事例1)
骨生検後、医師は病理検体とラベルを病棟看護師に渡した。看護師は病理部へ検体を提出しようとしたが、すでに受付時間が過ぎていた。そのため、検体を病棟で保管することになったが、置き場所が決められていなかった。その後、病理検体をどう扱ったかは不明であるが、1ヶ月後、医師が骨生検の結果を患者に説明する際に結果が出ておらず、病理検体が提出されていないことに気付いた。

(事例2)
下垂体腫瘍摘出術を施行した。通常、腫瘍が摘出されると脳神経外科医師が病理検査に提出していたが、手術当日は検体を処理する医師が手術室にいなかった。手術終了後、器械出し看護師は執刀医に腫瘍の処理を確認したところ、執刀医はすでに検体が病理検査に提出されていると思い込み、破棄してよいと伝えた。看護師は、腫瘍を破棄してよいか疑問に思ったが全て破棄した。1週間後、医師が検査の結果が遅れていると思い問い合わせたところ、病理検査に提出していないことがわかった。