医療安全情報No.164

医療安全情報No.164(R.02.07.16)(PDFファイル197KB)

中心静脈カテーテルのガイドワイヤーが体内に残存した事例が報告されています。

事 例 1
医師は、中心静脈カテーテルの端からガイドワイヤーの後端を出さないまま内頚静脈にカテーテルを挿入した。挿入後にガイドワイヤーを抜き忘れたことに気付き、胸部X線画像で体内に残存していることを確認した。放射線科医師に相談し、透視で確認すると、ガイドワイヤーは上大静脈から右大腿静脈に残存していた。その後、ガイドワイヤーを回収した。

事 例 2
医師は右大腿静脈に中心静脈カテーテルを挿入した。挿入後、透視下でカテーテルの位置を確認したが、ガイドワイヤーの残存には気付かなかった。入院中にCT検査を実施したが、医師、診療放射線技師、読影医の誰もガイドワイヤーの残存には気付かず、患者は他院へ転院した。転院3日後に発熱があり、中心静脈カテーテルを抜去してCT検査を実施したところ、大腿静脈から上大静脈にガイドワイヤーが残存していた。当院に再入院してガイドワイヤーを回収した。