医療安全情報No.165
医療安全情報No.165(R.02.08.17)(PDFファイル4948KB)
アラートが表示される条件に合った方法でアレルギーがある薬剤名を選択して登録しなかったため、処方時にアラートが表示されず、投与した事例が報告されています。
事 例 1
当院の電子カルテは、アレルギー情報を登録する際、薬剤名をリストから選択すると同じ成分の薬剤の処方時にアラートが表示されるが、テキスト入力するとアラートが表示されない仕組みである。看護師Aはアレルギー情報の登録に慣れておらず、院内のルールを知らなかったため、「クラビット」とテキスト入力した。医師がレボフロキサシン錠を処方した際、アラートは表示されなかった。レボフロキサシン錠が薬剤部より払い出され、看護師Bが患者に渡した。内服1時間後、患者に呼吸困難感と眼瞼浮腫などの症状が出現した。
事 例 2
当院の電子カルテは、アレルギー情報にペニシリン系の薬剤を1剤選択して登録すると、処方の際、院内採用のすべてのペニシリン系の薬剤にアラートが表示される仕組みである。通常は薬剤を検索して登録するが、医師は「ペニシリン、ケフラール」とテキスト入力した。手術後、医師は患者がペニシリン系の薬剤にアレルギーがあることを失念していた。スルバシリン静注用を処方した際、アラートは表示されなかった。投与開始後、患者が上肢の痺れと息苦しさを訴えたため投与を中止した。