医療安全情報No.167

医療安全情報No.167(R.02.10.15)(PDFファイル228KB)

休薬期間が必要なメトトレキサート製剤を連日服用し、患者に影響があった事例が再び報告されています。

事 例 1
関節リウマチの患者(70歳代)にリウマトレックスカプセルが初めて処方された。医師は、患者に週1回服用する薬剤であることを説明したが、処方入力時、コメントに「週1回○曜日内服」と記載するのを
忘れた。保険薬局の薬剤師は、医師より服用方法の説明を受けたと患者から聞き、処方箋に記載されている用量のみを説明して渡した。薬剤の包装シートに服用日は記載していなかった。患者は7日間連日服用し、2週間後に軽度の肝障害と汎血球減少のため緊急入院した。

事 例 2
患者(70歳代)は、関節リウマチのため12年前からメトトレキサート製剤を服用していた。医師はメトトレキサートカプセル2mg週1回8週間分を院内処方し、処方箋に「毎週日曜日朝食後内服」とコメントを記載した。薬剤師は薬袋に赤色で「日曜朝」と記載することになっていたが、記載するのを忘れた。患者は認知症のため家族が薬剤の管理をしており、薬袋に曜日の記載がなかったため毎日服用するものと思い込み、患者に連日服用させた。その後、患者は骨髄抑制をきたして入院した。