医療安全情報No.170

医療安全情報No.170(R.03.01.15)(PDFファイル201KB)

咀嚼・嚥下機能が低下した患者にオーダした食種と合わない食物が提供され、患者が窒息した事例が報告されています。

事 例 1
当院では、全粥食をオーダした場合に「パン禁止」と入力しないと、献立によりパンが提供されることが
ある。医師はそのことを知らず、嚥下機能が低下した患者に全粥食をオーダした際、「パン禁止」と入力
しなかった。入院3日目、朝食にパンが提供され、看護師Aの見守りのもと患者は食事を開始した。患者は前日までむせ込まずに摂取できていたことから、看護師Aは他患者の対応のため患者のそばを離れた。数分後、看護師Bがモニター上でHR44回/分であることに気付き訪室したところ、患者の呼吸が停止していた。口腔内のパンの塊を取り除き、心肺蘇生を実施し、人工呼吸管理となった。

事 例 2
当院では、軟菜食の朝食の主食はパンに設定されている。医師はそのことを知らず、食種を全粥・
一口大とろみ食から軟菜食に変更した。朝食にパンが提供され、看護師の見守りのもと患者は食事を
開始した。口腔内に食物が残っていたため看護師は止めようとしたが、患者はパンを食べ続け、その後
窒息した。