食中毒について

食中毒

感染管理認定看護師 松井順子
管理栄養士 塚本かなる

 

食中毒というと、飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生することがあります。家庭での発生では、症状が軽く、発症数が1名2名と著しく少ないことから風邪や寝冷えなどと思われがちです。そのため、食中毒とは気づかれず、重症化することもあります。家庭でも、食中毒の予防対策を実践していくことが大切です。

食中毒の原因

食中毒の原因として、細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫などさまざまあり、食べてから症状が出るまでの期間やその症状、また予防方法も異なります。

代表的な病原体の概要

病原体 腸管出血性大腸菌(O157) サルモネラ属菌
潜伏期間

症状
潜伏期間は、3~8日
軽い腹痛や下痢、頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症を起こすものまで、様々な巾がある
激しい腹痛と血便がある場合には、特に、注意が必要
潜伏期間は、6~72時間
激しい腹痛、下痢、発熱、嘔吐
特徴 大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在する
ほとんどのものは無害だが、このうちいくつかのものは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原大腸菌と呼ばれる
代表的なものは「腸管出血性大腸菌O157」である
動物の腸管、自然界(川、下水、湖など)に広く分布。生肉、特に、鶏肉と卵を汚染することが多い
乾燥に強い
写真  O157  サルモネラ
 

国立感染症研究所HPより

公衛研ニュースHPより

 *潜伏期間とは、感染から発症までの時間です

食中毒予防のポイント

食中毒を招く病原体が増殖しても、食べ物の見た目や味は変わらず、匂いもしません。そのため、食事の準備をする時には、次の【家庭でできる食中毒予防の6つのポイント】を参考に、食中毒を防ぎましょう。

家庭でできる食中毒予防の6つのポイント PDFはこちらから 

 

point

日常生活  ~こんな時の注意点~

★外食時★ 
・食べ切れなかった料理は、持ち帰らない!BBQ

★調理済み食品を購入した時★
・できるだけ早めに食べる。室温で2時間以上放置しない。 
・「ちょっと怪しい」と思ったら捨てる。

★バーベキューの時★
・生の肉や魚介類を扱う箸と食べる用の箸を使い分ける。
・中心部まで火を通す。
・野菜も肉などに触れているので、十分に加熱する。