腎臓の働きと機能
腎臓ってよく聞く臓器ですよね!その腎臓の働きや機能について皆さんご存じですか?
腎臓との関わりの深い職種、臨床工学技士が説明していきたいと思います。

解剖と構造

ソラマメのような形をしており大きさは握りこぶし大程度で、重さは150~200g程です。後腹膜(背中の方)に位置し通常2個存在します。

腎臓の働き

主な働きを5つ説明していきます。

水分の調整

尿を生成し血圧を調整している機能です。

老廃物の排泄

老廃物(不要な物質)を取り除きます。

pH・電解質の調整

電解質(イオン)血液や体液に含まれるナトリウム、クロール(塩素)、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのことで5大栄養素のミネラルの調整を行い体調の調整をしています。

ホルモンなどの生成

血液を生成するホルモン(エリスロポエチン)、血圧を調整するホルモン(レニン)を分泌しています。

ビタミンDの活性化

ビタミンDは栄養素として食品などに含まれますが、そのままの形態では体に作用できません。ビタミン Dを活性化させカルシウムの吸収を促進し、骨を丈夫にしています。

腎臓の病気

慢性腎臓病(CKD)

慢性的に経過するすべての腎臓病のことを言います。現在日本には1300万人程(8人に1人)がこの病気と言われており新たな国民病とされています。進行してしまうと心筋梗塞や脳卒中にまで発展してしまう病気です。

 

原因

糸球体腎炎や多発性嚢胞腎といった腎臓病も原因の一つですが、近年大きく関わってきているのが生活習慣病によるCKDの発症です。

高血圧

糖尿病

脂質異常症

これら要因として喫煙、飲酒、肥満、ストレスなどが原因とされています。

症状

初期の段階ではほとんど症状はありません。また自然に治癒することはない病気でもあります。症状が進行してくると、下記の症状が出てきます。

体のだるさ

貧血

浮腫

息切れ

夜間の尿

これらの症状が続くようであれば病院を受診し診察や検査を受け薬の内服や治療を進めていく必要があります。

早期発見のために…

前述の冒頭で説明したように初期の段階ではほとんど症状がありません。そのため患者数を増加させてしまう事になっています。

 

健康診断の受診

尿と血液、そして血圧などを検査することにより早期発見につながります。
定期的な健康診断と生活習慣に気を付けることにより腎臓の病気になるリスクを抑えていきましょう。

最後に

治療などを行っていても加齢などに伴い、腎臓の病気が進行してしまいます。進行していくと腎臓の5つの機能が失われてしまいます。その機能を代替えしていく方法として「血液透析」「投薬治療」「腎移植」があります。
ここまで腎臓のことについて説明してきましたが治療していく方法として挙げさせていただいた「血液透析」には臨床工学技士が大きく関わっています。その「血液透析」については次回に詳しく説明さていただきたいと思います。