訪問リハビリとは

以前『リハビリテーションについて』でお話したように、リハビリは病期(発症からの期間)によって役割分担がされています。その中で、訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)は在宅で行われるリハビリテーションのことをいいます。

今回訪問リハとは何をするのかを中心にお話させていただきます。

どういうことをするの?

・理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の国家資格を有したリハビリ専門職種が、利用者の実際の生活の場(ご自宅や自宅に類する住まい)にお伺いして、日常生活の自立と家庭内さらには社会参加の向上を図ることが一番の目的です。また利用者が安心、安全にその人らしく住宅生活が継続できるように支援します。特に退院直後などご病気になられて、今までより動けなくなってしまった時など、より安全に、快適に生活できるように利用者と自宅環境との適合を調整する役割を持ち、自宅での自立支援に効果的なサービスです。ケアマネ等の関連職種と積極的に連携を図りながら、チームの一員としてその専門性を発揮することができます。

訪問リハ どういうことをするの

 

 

 

 

・実際には心身障害、生活障害、住環境を確認して自宅生活の中で利用者自身の機能維持・向上を図りつつ、医療機関では行うことのできない実際の生活場面に則したアプローチを行っていくことができるサービスです。

簡単に言うと、国家資格を持ったリハビリ専門職が、自宅で生活しやすくするために、自宅でリハビリを行い、力をつけたり、環境を整えたり、ご家族に介護の仕方等を指導させていただいたりするサービスです。

訪問リハ写真

対象となる方

訪問リハは、医療保険・介護保険で利用することができます。

対象は小児から高齢者の通院が困難な方です。利用に当たっては、主治医の指示のもとに実施されるため、主治医にご相談ください。

当院では、平成27年現在では、介護保険での訪問リハビリを実施していますので、要介護認定を受けている方。要支援1・2、要介護1から要介護5の方で通院が困難な方です。利用に当たっては、ケアマネージャー、主治医にご相談ください。また通所施設、入所施設(一部施設)をご利用の方でも併用可能です。

訪問リハのご利用例

退院直後から訪問リハ 退院直後から

病気や怪我の治療で入院していましたが、治療も終わり退院することになりました。でも今までの動きができなくなってしまって、家での生活に不安があるのですが・・・、

家の中で安全に快適に過ごせるように、専門スタッフによるリハビリや住環境設定、介助方法等により自宅で安心して生活が送れるようにお手伝いさせていただきます。

 

介護予防でも

家の中なら安心だけど、ちょっと外に出て運動してみたいなあ、近くに買い物にいきたいけどいけるようになりたいな、家事が安全に出来るようになれればもっと生活がしやすいのに、食事中に最近むせ込みが多く安全に食べられるようになりたいなど、専門スタッフによるリハビリやアドバイスにより、自立するための援助をさせていただきます。

 

日常生活動作(ADL)の能力向上・維持

腕の力や足の力をつけるだけでなく、日常生活において不便なところ(トイレ、入浴、ベッドからの起き上がり等)をお伺いして、生活に合った目標を決めてリハビリを提供させていただきます。その為、無理なく能力の維持・向上が可能です。

 

介護負担軽減として

訪問リハビリを継続することで、今まで、お風呂に入るのが大変だった方、トイレ動作が不安だった方を介助者していた方に、「これなら、ちょっと手伝うだけでスムーズにできる」と喜ばれています。

 

介護拒否がある方

外に出たがらない、お風呂に入りたがらない、外部との接触がないなど、様々な介護拒否があり困っている家族・ケアマネージャーの方へ。専門のリハビリスタッフが介入することで、お風呂に入れるようになった。外に出かけるようになった。他のサービスも受け入れるようになった。精神的に落ち着く時間が長くなり、家族の身体的・精神的負担が減ったなど様々な声を頂いております。 ※個人差がありますが、あきらめないで是非相談して下さい。利用者様が少しでも日常生活の質が向上するよう最善の努力をさせて頂きます。

 

利用者の心の支えとして

高齢者は、外部とのコミュニケーションが少なくなってしまいがちです。専門のスタッフとして、身体のリハビリだけでなく、心の支えとなれるように心理的サポートにも取り組んでいます。「あなたが来てくれて嬉しい」と言われるような関係づくりをしています。