リハビリテーションとは

『リハビリテーション』ということばは最近よく耳にするようになってきましたが、その意味はご存じでしょうか?「リハビリをしましょう」などと使われることが多いですよね。

リハビリ=専門職による機能回復訓練ととらえられることも多いですが、「リハビリテーション」ということばには広い意味があります。「リハビリテーション」(Rehabilitation)は、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)から成り立っています。つまり、単なる機能回復ではなく、「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が重要で、そのために行われるすべての活動がリハビリテーションなのです。 それには、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)のようなリハビリテーション専門職だけでなく、さまざまな職種の方々が関与しますし、さらに、ボランティアや家族の方々の支えもとても大切になります。

 

リハビリチーム

 

様々な病期に対応するリハビリテーション

リハビリは病期(発症からの期間)で役割分担がされています。

それぞれのリハビリの目的は何か?を脳出血を例に挙げて考えてみたいと思います。

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自宅で急に頭が痛くなった後に倒れます。何か具合がおかしい。救急車を呼び病院に運び込まれました。

→この時に運ばれる病院は、いわゆる「急性期病院」です。

Ⅰ(急性期リハビリ)

CT(画像検査)を行い、脳の血管の一部から出血が見つかりました。 幸いにも意識もしっかりしており、軽症だったため手術の必要はないようです。 バイタル(血圧や脈拍など)も落ち着きリハビリも始まりました。

発症より2週間。すっかり落ち着いてリハビリも順調。手足の動かしにくさも次第にマシになってきました。 そんな頃もっと集中してリハビリをできる病棟に変わってはどうかという提案が主治医からあり、慣れてきた環境を離れて新たな病棟へ移ることになりました。

→この時に集中してリハビリをする病棟がいわゆる「回復期リハビリ病棟」です。

Ⅱ(回復期リハビリ)

新しい病棟ではリハビリの時間が倍増しました。理学療法以外にも作業療法や言語療法も開始されました。 その甲斐もあり、発症より6ヶ月後には病院の中では歩いたり着替えたりトイレをしたり一人でできるようになりました。 歩いたり、ベッドから起きることを「基本動作」といいます。 着替えをしたり、トイレをすることを「ADL(日常生活動作)」といいます。 病院では「基本動作」「ADL」ともに自立のレベルまで達し、いよいよ家に帰ることになりました。

Ⅲ(在宅リハビリ)

半年ぶりに家に帰ってきました。やっと帰ってきたとホッとしていると涙が・・・。 感動しているとなんだかトイレに行きたくなりました。 歩いてトイレに行こうとするとなんだか病院とは勝手が違います。 手すりが邪魔になって体の向きをうまく変えられません。段差を乗り越えるのにも一苦労。 結局、家の人に手伝ってもらえたのでなんとか間に合いました。 ほっとしたのも束の間、これからは一人でしなければと思うと不安でいっぱいです。 幸いにも退院後には訪問リハビリを段取りしていましたので、理学療法士の先生にそのことを相談してみようと思いました。そして訪問リハビリがスタートしました。

シームレスケアリハビリテーションとは

「シームレス」とは「つなぎ目のない」という意味です。従来では、急性期から回復期、回復期から在宅へとリハビリを進めていく中で進めていく際に、転院し場所やスタッフが変わることで情報の受け渡しが不十分になることがありました。市立御前崎総合病院では、この問題を解消するために同一病院内で予防リハビリ・急性期・回復期・療養型病床・老人保健施設・通所リハビリ・訪問リハビリ・通院リハビリを揃えました。一つの病院の中で発症からその後の自宅生活まで支援することが、市立御前崎総合病院の目指すところです。

シームレスリハビリ