私たち臨床工学技士は新たにペースメーカー業務に関わることになりました。
そこで皆様にペースメーカーについて説明していきます。
ペースメーカーとは、心臓の拍動が遅くなったり、不規則になったときに、電気刺激で心臓のリズムを正常に戻す医療機器です。
主に胸の皮下に小さな機械本体を埋め込み、心臓まで伸びるリード(細い電線)を通して、心臓に電気信号を送ります。
ペースメーカーはどんな時に使うの?
以下のような病気のときに、ペースメーカー治療が行われます。
・徐脈性不整脈:脈が極端に遅くなる病気。
・房室ブロック:心臓の電気信号が途中で伝わらなくなり脈拍が遅くなる病気。
・洞不全症候群:心臓のリズムを作る部分の機能が低下し、脈が不安定になる病気。
ペースメーカーを使用する際にみられる主な症状
心臓のリズムが乱れると、全身に十分な血液が送られず、以下のような症状が現れます。
・息切れ、動悸
・強いだるさ、疲労感
これらの症状は、加齢と体調不良と見分けがつきにくいことも多いですが、心臓の病気が隠れていることがあります。症状が続く場合は早めの検査が必要になります。
手術はどのように行われるの?
胸の皮膚を数センチ切開し、本体を皮下に埋め込み、
リードを血管から心臓へ通して固定します。
高齢の方でも比較的安全に受けられる治療です。
ペースメーカーの電池の寿命はおよそ7~12年程度で、
消耗した場合は本体のみを交換します。
その際の手術は初回と同じ切開部から行い30分~1時間程度で行われます。
ペースメーカーを入れたあとの生活は?
日常生活の多くは、これまで通り過ごすことができ制限はほとんどありません。
スマートフォンや電子レンジなどの家電製品も、正しく使用すれば問題ありません。
ただし、以下の点には注意が必要です。
・強い磁気や電気を発する機器への接近 (MRI、携帯電話、IH調理器具、電気風呂など)
・植え込み部位への強い衝撃
・定期的な外来での点検
新しい選択肢「リードレスペースメーカー」とは?
近年、「リードレスペースメーカー」という新しいタイプも登場しています。
これは従来のように胸に本体を埋め込むのではなく、
カプセル状の小さな機械を足の付け根の血管から
心臓の中へ直接入れるタイプのペースメーカーです。
リード(電線)が無いため、胸に傷が残らず、
感染や断線のリスクが少ないといったメリットがあります。
特定の不整脈のみ対象となるためすべての方に適応できるわけではないデメリットもあります。
最後に
ペースメーカーは、弱くなった心臓のリズムをやさしく支え、患者さんの生活を守る大切な医療機器です。不整脈やめまい、失神などの症状があり、ペースメーカー治療を勧められた場合は不安を一人で抱え込まず、ぜひ医師や医療スタッフにご相談ください。






