骨粗しょう症と食事

骨粗しょう症のリスク

〇女性・閉経

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは、骨にカルシウムを蓄える骨形成を促す働きがあります。ところがこのエストロゲンは、閉経によって分泌量が急激に減少するため、骨粗しょう症になる危険性が高まります。

〇加齢

男性も女性も、骨は成長期に活発な代謝を繰り返して増加し、20歳前後で最大骨量に達します。40代半ばくらいまでは一定の骨量を維持できますが、その後は加齢とともに徐々に減りはじめます。

○運動不足

運動不足の人は骨の強度が弱く、さらに筋力やバランス力も衰えてしまうので、転倒・骨折の危険が高まります。

〇体型・骨密度

もともと小柄な人は、骨が小さいためカルシウムの蓄積量も少ない傾向があります。さらに、やせていて筋肉の少ない人は、骨を支える力が弱いために、骨が弱くなってしまいます。

○喫煙習慣・過度な飲酒

アルコールを過剰に摂取することや喫煙は、胃腸でのカルシウムの吸収を阻害しやすくなります。また喫煙は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌も抑えるため、骨量不足になる危険性があります。

 

 

骨粗しょう症予防の為の食事

○カルシウム

骨を形成している骨細胞が新陳代謝を繰り返し、新しい骨細胞がつくられるといわれています。骨をつくるために材料となるカルシウムが必要です。カルシウムは、牛乳をはじめとする乳製品、豆腐や納豆などの大豆製品、骨ごと食べられる小魚、ひじき・わかめ・のりなどの海藻類、小松菜や青梗菜などの緑黄色野菜に多く含まれています。以下にカルシウムの目安量表を載せました。1日に600㎎~800㎎を目標に。

 

食品名・目安量  カルシウム量
 牛乳200ml 220mg 
 豆腐1/3丁  120mg
 小松菜1/4束 162mg
 乾ひじき8g 112mg
 ししゃも3尾 264mg
ごま大さじ1 108mg

 

 

 

 

 

 

日本食品標準成分表2010より

○ビタミンD

骨代謝を活発にするためにビタミンDも必要です。ビタミンDはカルシウムを多く含む食品と一緒にとると、腸管でのカルシウムの吸収率がよくなります。魚類やきのこ類に含まれます。具体的な例としては、鮭、ぶり、うなぎ、いさき、しらす、かれい、秋刀魚、いわしの丸干し、干しシイタケやきくらげなど。また、ビタミンDは紫外線を浴びることで体内でも生成されるので、適度な日光浴も効果的です。

 

○偏った食事はNG

スナック菓子や加工品・一部の清涼飲料水には、多量のリンや食塩が含まれています。それらを過剰に食べていると、骨に必要なカルシウムなどの栄養素が不足するだけでなく、吸収されにくくなってしまいます。

 

最後に

栄養に注意している人でも、カルシウムの摂取はどうしても不足しがちです。厚生労働省の調査によると、現在の日本人は唯一、カルシウムだけ所要量に達していません。カルシウムは、吸収率の悪い栄養素でもあります。

骨粗しょう症を含めた生活習慣病は、長年の食生活の偏りが大きな原因となりますから、毎日の食事をバランスよくとることが、全ての病気を予防する基本であることに変わりはありません。