便秘はメカニズムによって機能性便秘と器質性便秘に分けられます。機能性便秘はさらに「弛緩性便秘」、「痙攣性便秘」、「直腸性便秘」の3つに分けられ、器質性便秘と合わせて全部で4種類に分類されます。
機能性便秘
自律神経のバランスが崩れ、大腸が機能不全を起こしたことによる便秘です。食生活や生活習慣が原因で起こり、日常生活の改善で便秘も快方に向かいます。一般的に「便秘」と呼ばれているものは、この機能性便秘の中、次の3つのどれかに該当する場合がほとんどです。
①弛緩性便秘
食物繊維の不足や運動不足、腹筋力の低下が原因で大腸の運動機能が低下して腸の中で長い間、便が留まることによって起こります。
☆デスクワークなどでじっとしている時間が長く体を動かす機会を作れない人がなりやすく、主に高齢者や若い女性、妊婦などに多くみられます。
②痙攣性便秘
大腸の過緊張によりぜんどう運動が強くなり過ぎて腸がけいれんを起こし、便の輸送に障害をきたしている状態です。大腸の働きを調節する自律神経がバランスを崩すことによって起こります。
☆職場や家庭でのストレスが多い人や、リラックスするのが下手で常に緊張が抜けない人がなりやすく、若年者や仕事に追われるサラリーマンに多いとも言われています。
③直腸性便秘
便が直腸に到達しても便意を催さず、直腸内に留まってしまうために起こる便秘です。便意を我慢したり、浣腸などを濫用したりすることで排便のリズムが崩れた人などに起こります。
☆高齢者や寝たきりの人の他、痔や便秘を我慢してしまう人、朝の支度に時間が掛かってトイレタイムをきちんとキープできない人などに多くみられます。
器質性便秘
胃や小腸、大腸、肛門などに何らかの疾患があり、それが原因で便秘になっている状態をいいます。
※機能性便秘が生活習慣を見直すことで症状が緩和されるのに対し、器質性便秘は医療機関の受診が必要です。
便秘になったら、まずは食事や運動など生活習慣を見直しましょう。
1、朝の排便を習慣づける
便意の有無に関わらず、毎日同じくらいの時間(特に朝食後など)にトイレにいくようにします。
一般的に、起床時には腸管がよく動いて便が出やすい状況になっています。そこへ朝食を食べることで腸のぜんどう運動がさらに活発に行われます。
2、適度な運動
日常生活の中であまり体を動かさない人は腹筋が衰え、排便に必要な力が十分に発揮できなくなります。また適度な運動を行い、体内の血液循環を改善して腸の運動を活発化させましょう。
3、ストレスを発散する
他人に話を聞いてもらう、買い物をする、旅行で日常を忘れる、一日何もしない日をつくるなど、自身に合った方法でストレスを発散しましょう。
4、便意を逃さない
便秘を回避するためにも、排便したい時に便意を逃さないことが大切です。
5、規則正しい食事
1日3回、毎日決まった時間に食事をしましょう。同じ時間に食事をすることによって体が習慣付けられ、腸のぜんどう運動の効率も上がり、排便習慣が身に付くようになるのです。
6、十分な水分摂取
便をスムーズに排泄するためには、十分な水分を取り入れることが重要です。
7、食物繊維の摂取
食物繊維は腸管で吸収されずに残るため、水分を含んで便を作ります。
8、ビフィズス菌とオリゴ糖の摂取
善玉菌の代表格であるビフィズス菌には、腸のぜんどう運動を活性化させる働きがあり、悪玉菌の増加を防ぐ役割があります。
オリゴ糖は、善玉菌の活性化をサポートする重要な役割を担っています。
それでも改善しない場合は、適切な医薬品を適切な方法で服用し便秘が慢性化する前に解消しましょう。
ためていいのはお金だけ!便は早めに出しましょう
快便ですっきり爽快な毎日を!