インフルエンザQ&A

市立御前崎総合病院 薬剤科ICT 境澤 潤

インフルエンザの感染力は非常に強く、日本では毎年約1千万人、約10人に1人が感染しています。インフルエンザから、皆さん一人ひとりを守るためには、まず、インフルエンザそのものを良く知ることが必要です。それでは、あなたが日頃抱いているインフルエンザへの質問にお答えします。

 

Q1.かぜとインフルエンザの違いは?

Q1.かぜとインフルエンザの違いは?

A1.
普通のかぜの多くは、のどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳などの症状が中心で、全身症状はあまり見られません。
一方、インフルエンザは、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が突然現れ、これらの激しい症状は通常5日間ほど続きます。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。
また、気管支炎や肺炎を併発しやすく、重症化すると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などは命にかかわることもあります。

 

Q2.インフルエンザにかからないためのポイントとは?

Q2.インフルエンザにかからないためのポイントとは?

A2.
インフルエンザは、咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込んだり、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによって感染します。インフルエンザ7

◎手洗いが基本(特に外出後の手洗いはしっかりと)。
◎十分な休養とバランスのとれた食事で、体力の維持を心がける。
◎部屋の湿度を適度(50~60%)に保つ。
◎流行前にワクチンを接種する。
◎流行してきたら、人混みや繁華街への外出を控える。

インフルエンザ8

Q3.インフルエンザにかかったらどうすればいいの?

Q3.インフルエンザにかかったらどうすればいいの?

A3.
◎まず安静にして、休養をとりましょう。特に、睡眠を十分にとることが大切です。
◎水分を十分に補給しましょう。
◎具合が悪ければ早めに医療機関を受診しましょう。
◎周りの方へうつさないために、マスクを着用しましょう。
◎人混みや繁華街への外出を控え、無理をして学校や職場等に行かないようにしましょう。

インフルエンザ5インフルエンザ6

Q4.インフルエンザで症状が重くなりやすい人は、どんな人?

Q4.インフルエンザで症状が重くなりやすい人は、どんな人?

A4.
注意が必要なのは以下の方々です。
お年寄り ・お子さん ・妊婦さん 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、慢性心疾患、糖尿病、慢性免疫疾患といった持病のある方。
*このような持病のある方は主治医と相談してできるだけ予防接種を受けましょう。

インフルエンザ4また右記のような重症化のサインが見られる場合は、すぐに医療機関を受診してください。

Q5.インフルエンザの治療薬にはどのようなものがありますか?

Q5.インフルエンザの治療薬にはどのようなものがありますか?

A5.
抗インフルエンザ薬は、大きくわけて内服薬・吸入薬・注射薬と3つに分類されます。

    内服薬・・・・・<利点>乳児から高齢者まで幅広く使用できる。

            <欠点>消化器系の副作用がある。

                                                        10歳代の未成年の使用が差し控えられている。

    吸入薬・・・・・<利点>感染部位に直接作用するため、副作用が少ない。

            <欠点>咳がひどいと使用できない。

                                                        幼児以下の使用は、やや困難。

    注射薬・・・・・<利点>重症患者、0歳児でもに使用できる。

            <欠点>他と比べて高価である。

                                                       他の製剤が使えない方に限る

 

*抗インフルエンザウイルス薬の服用を適切な時期(発症から48時間以内)に開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、ウイルス排出量も減少します。なお、症状が出てから2日(48時間)以降に服用を開始した場合、十分な効果は期待できません。効果的な使用のためには、早期に医療機関に受診することが重要です。

Q6.インフルエンザにかかったら、どのくらいの期間外出を控えればよいのでしょうか?

Q6.インフルエンザにかかったら、どのくらいの期間外出を控えればよいのでしょうか?

A6.
一般的に、インフルエンザ発症前日から発症後3~7日間はウイルスを排出するといわれています。
そのためにウイルスを排出している間は、外出を控える必要があります。排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスを排出するといわれています。排出期間の長さには個人差がありますが、咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、マスクを着用する等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。インフルエンザ2
インフルエンザ1