肺の働きは呼吸をすることにより酸素を体に取り入れ(吸気)、体の中に溜まった二酸化炭素を排出(呼気)していて、これを「ガス交換」と言います。肺で取り込んだ酸素は血液中に溶けています。そして心臓は、その血液を全身に送りだすポンプの働きをしています。しかし、心臓が動いている状態であったり、心臓内に血液がある状態では手術などの際に手術が困難です。一時的に心臓を止め、その代わりに人の心臓と肺の働きを代行する機器が「人工心肺装置」です。
心臓に血液が流れ戻ってくる血管(大静脈)に回路をつなげ、機械側に血液を送り心臓を止めている間、人工肺と呼ばれる装置に血液を通し「ガス交換」を行い、心臓から血液が流れ出す血管(大動脈)に送り体に返します。
成人の呼吸数は12~20回/分、換気量(一回の呼吸で出入りする空気の量)は約500mlで運動時の換気量はこの7~10倍になります。
空気中には酸素が約21%二酸化炭素が約0.03~0.04%存在していて、これを吸気として体に入れ、呼気として体から出ていく時は酸素が約16%二酸化炭素が約4%になります。つまり約5%の酸素が体に吸収され、残りの約16%は吸収されずにそのまま呼気として排出されています。体内で生じた二酸化炭素は呼気として排出されるため呼気時では多くなっています。
人は普段、絶えることなく呼吸をしていますが、病気や何らかの原因で正常に呼吸をすることができなくなり、酸素を体に取り入れ(吸気)、体の中に溜まった二酸化炭素を排出(呼気)する事が困難になった患者様に代わって呼吸の補助または代行する機器を「人工呼吸器」と言います。
呼吸器には、マスク式のものや口や鼻に細いチューブを入れる気管内挿管、気管を切開し直接チューブを挿管するものがあります。
腎臓の働きを簡潔に言ってしまえば、血液をキレイにし、おしっこを作る、とても大切な臓器です。
何らかの原因で腎臓の機能が低下し、腎機能が正常に働かなくなった患者様に行う治療が血液透析です。通常、週3回、1回4時間行います。
血液透析装置は「人工腎臓」とも呼ばれ、腎臓が「働かなくなった患者から余分な水分や毒素を取り除く装置です。透析を行うには、1分間に約200mlというたくさんの血液を取り出す必要があるため、普通の静脈では充分な血流が得られないので「内シャント」という血管を腕に作成します。これは、動脈と静脈を吻合させ、通常よりも多くの血流が流れる血管を手術によって作成します。この内シャントに針を刺し、機械を使って血液を体外に出し、人工腎臓(ダイアライザ―)を介して主に溜まった老廃物の除去、余分な水分の除去、電解質バランスの補正を行い、血液を体内に戻します。
内シャント | 人工腎臓(ダイアライザ―) |
心臓は微弱な電気が発生していて、心臓の中を順番に微弱な電気が心臓に流れること(これを刺激伝導系と言います)で動いています。成人の心拍数の正常値は60~80回/分とされています。 この心臓に伝わる電気が、うまく伝わらなかったり異常な電気が発生したりすると、心臓の動きが遅くなったり速くなったりして脈が乱れます。これを不整脈と言います。 脈が正常値よりも遅くなるものを「徐脈性不整脈」と言い、脈が正常値よりも速くなるものを「頻脈性不整脈」と言います。この内、ペースメーカーは「徐脈性不整脈」を改善するものです。 ペースメーカーは本体とリードと呼ばれる心臓の電気刺激を感知し、電気刺激を送る電線の組み合わせで出来ています。 心臓に伝わる電気がうまく伝わっていないのを感知して心臓に電気刺激を送ることで、心臓の拍動をコントロールします。 心臓は正しいポンプ機能を果たすため心臓内の収縮するタイミングがあり、何らかの障害によってタイミングのずれが生じた時、心臓全体がバランスよく動かずポンプ機能が障害されます。最近のペースメーカーでは徐脈性不整脈の治療だけでなく、機能障害を起こした心臓を左右から同時に電気刺激を送ることで、ポンプ機能や症状の改善する心臓再同期療法(CRT)や心臓突然死の原因になる「心室細動」や「心室頻拍」を予防する、植込み型除細動器(ICD)の機能を加えた(CRT-D)があります。 心臓ペースメーカについて、総務省では「携帯電話端末については、過去の調査において一部の植込み型医療機器が最長で3cmの離隔距離で影響を受けることがあったことから指針では、植込み型医療機器の装着部位から15cm程度離すこと」とされているので電車やバスの優先席付近では混雑時には携帯電話の電源は切りましょう。