3月、4月は別れと出会いの季節です。職場で歓送迎会が多く開かれるのではないでしょうか?ただ、この時期血液検査をすると、値が悪い方がいます。おそらく、お酒や外食の機会が増えることも一因なのかと思われます。
今回は、お酒との付き合い方について書きたいと思います。
アルコールを飲みすぎると、肝臓で中性脂肪が過剰につくられます。中性脂肪は、アルコールの摂取や糖質の過剰摂取で上昇します。
だからといって、お酒の席を毎回断るわけにもいきませんよね?そのためまずは、お酒の一日の目安量を知りましょう。そして、宴会の序盤のペースをなるべくおとし、飲みすぎないように調整します。後半は、周囲も酔ってくるのでのんびり自分のペースを守りやすくなります。まずは、序盤戦がカギです。
お酒の適量は人それぞれですが、右表の適量がだいたいの目安となっています。抗酸化作用のあるポリフェノールの含まれる赤ワインが、同じ量飲むのであれば、よいかもしれません。お酒は、自分にとっての適量でおさまれば、様々な効用があり「百薬の長」になりますが、過ぎれば害になってしまいます。特に、血糖値や中性脂肪の数値に異常がある方や、持病のある方は医師の指示を守り、休肝日をもうけるなど注意が必要です。
一日のお酒 | の目安量 |
種類 | 適量 |
ビール | 500ml(中瓶1本) |
日本酒 | 1合 |
焼酎 | 0.6合 |
ワイン | 200ml |
ウイスキー | 50ml(シングル2杯) |
ご家庭や居酒屋でのおつまみは、皆さんどんなものを選んでいますか?
フライドポテト、から揚げ、ピザ、揚げ物や味の濃いもの辛い物など、どうしても高カロリーなものに手を出してしまいがちではないですか?
アルコールは空腹時に摂取した場合、60~90%は30分以内に吸収され、さらに95%は60分以内に吸収されます。そのため、飲酒時のおつまみ
の状況により、消化管への負担やアルコールの吸収速度に影響を与えます。つまり、空腹時の飲酒を控えることで飲酒による急性胃炎の予防や、酔いを軽減することもできます。胃への負担と酔いの軽減には飲酒前から胃内に食べ物を入れておき、「飲みながら食べる」ことが鉄則です。
アルコール代謝を助ける成分をおつまみで補いましょう。また、エネルギー過剰につながりやすい揚げ物や油を多く含む食品料理は
控えめにし、野菜スティックやサラダ、酢の物などの低カロリー料理を選ぶのも良いでしょう。
おつまみ選択のポイント
ビタミンB1:ニンニク、ネギ、ニラ、枝豆、レバー
ムチン:オクラ、山芋、納豆
ビタミンC:野菜類全般、くだもの
水を飲みながら飲む |
アルコール度数が高いお酒を飲む時は、一緒に水を飲んでアルコールを薄めるようにしましょう。
また、水分をたくさんとると、排泄が促され、アルコール分解効果があります。
飲んだ後は… |
アルコール代謝で消費された水分の補給をしましょう。普通の水やスポーツドリンク、オレンジジュースまた、迎え酒もNG。一時的に頭痛や吐き気が抑えられたようになっても、結局はさらにひどい二日酔いを招きます。
それが習慣化すれば、アルコール依存症にも近づいてしまいます。
ある程度酔いがさめ、元気が回復してきたら、ぬるめのお風呂に入るのもよいですが、基本的には安静に。飲酒直後は絶対に禁止です。また、一晩眠った後もアルコールが分解されずに残っている場合があるので、車の運転にも注意が必要です。
日本では4人に1人が65歳以上の高齢者という時代になりました。お酒と長くつきあえるようになることはよいことですが、一般に高齢になるほど、若い世代より血中アルコール濃度が上昇しやすくなります。つまり、お酒に弱くなり、酔いやすくなります。年齢とともに飲酒量を減らすようにしましょう。
また、高齢者では、
・知らず知らず酔ってしまい、転倒事故につながりやすい。
・退職や配偶者との離婚や死別により、大量飲酒やアルコール依存症になる症例が多い。
・薬を服用している割合が高く、薬と一緒にお酒を飲むと危険な場合がある。
などの問題があります。
おわりに
お酒を飲むことで、緊張がほぐれ、人との会話が弾み、陽気になる方も多いでしょう。ストレスが緩和され気持ちが晴れることもあります。しかし大量の飲酒を続けることは、様々な病気を引き起こしてしまいます。肝臓病、膵炎、糖尿病、高血圧症、心臓疾患、脳血管障害など全身の病気になる危険因子にもなりえます。
お酒の適量を守り、バランスのよい食事をし、楽しく飲むことで、お酒と良い付き合いをしていきたいものです。